※ 日本人女優の氏名に誤りがありましたので、訂正しました(2007年7月19日)
KOLKATA:西ベンガル州にある世界最大のトラ保護区、スンダルバンズ(Sunderbans)で教師として働く男性と、日本女性との間で育まれる遠距離恋愛をテーマにした新しい映画の撮影が、現在2ヶ国をまたいで進行中だ。
同作品では、男女の愛が地理的な距離や国境、文化の相違をどのように乗り超えてゆくのかを描写する。
インドを代表する芸術映画監督、アパルナ・セン(Aparna Sen)氏が制作する「The Japanese Wife」では、ボリウッドの典型的なロマンスやアクションなどとは全くかけ離れた、普通の人々の生活や感情にフォーカスを当てていく。
「作品の中で、人を愛する気持ちが、どれほどのパワーを持つものなのかを表現したい」コルカタで撮影中のセン氏は、ロイター通信にこのように語る。
コルカタ南部はスンダルバンズで教師として働く男性は、ペンフレンドの日本人女性に恋をする。
ベンガル語を母語とする男性は、辞書を使いながら英語で彼女に手紙を書き、受け取った彼女も和英辞書を引きながら懸命に返事を書く。
2人は互いに愛し合い、結婚をも誓うが、15年もの間、実際に会うことは一度もできなかった。
出演は、ラフール・ボーズ(Rahul Bose)、高久ちぐさほか、モウシュミ・チャテルジー(Moushumi Chatterjee)、ライマ・セン(Raima Sen)となっている。
「家庭内暴力などでの離婚は後を絶たないが、この映画を通じ、主人公たちが風変わりな男女関係に、どれほどの心を尽くしていくかを、シンプルかつ楽しく描いていきたい」セン氏。
61歳になるセン氏は、10代の頃に俳優として映画界にデビューし、1981年制作の「36 Chowringhee Lane」での受賞をきっかけに、映画監督に転身する。
「The Japanese Wife」は、クナル・バス(Kunal Basu)による同名の小説(未出版)を元にしている。
「クナル氏からストーリーを聞いた時、瞬時に惚れ込んでしまった」セン氏。
同映画の日本側での撮影は、横浜や筑波で行われ、残りはスンダルバンズとコルカタで予定されている。
セン氏は、今年末までに全世界公開を目指していると抱負を語っている。
Translated by Yoko Deshmukh