インド人のビール消費量は、2002年の2倍近くにも膨れ上がっていることが分かった。
グローバル調査会社「Canadean」がまとめた報告書によれば、2002年と比較したインドにおけるビール消費量の上昇率は90パーセントとなっており、ブラジルの20パーセント、ロシアの50パーセント、中国の60パーセントを大きく凌いだ。
また、州別ではパンジャーブ、ハルヤナ、ラジャスターンでの消費量が多いということも分かっている。
収入の上昇に加え、酒税や物流規制の緩和などが、ビールに手を伸ばす機会を奨励し、販売量を上げているとみられている。
興味深い結果として、インド人はアルコール度の強い(度数8パーセント強)、いわゆる「ストロング・ビール」を好む傾向にあり、ビール売上高の7割を占めている。
全国醸造業者協会(All India Brewers Association)によれば、世界一流のビールに対する需要も高まっているという。
そこで、米のアンハイザー・ブッシュ(Anheuser-Busch)やベルギーのインベヴ(InBev)、南アフリカのサブミラー(Sabmiller)、デンマークのカールスバーグ(Carlsberg)、オランダのハイネケン(Heineken)、カナダのモルソン・クアーズ(Molson Coors)、そしてわが日本を代表するキリン(麒麟)など、世界に名だたるビールメーカーは、こぞって輸出の機会を伺っている。
いっぽう、報告書によれば、こうした海外メーカーのビールは、かなりの苦戦が強いられることになっているようだ。
唯一の例外が、オーストラリアのフォスター(Foster)で、2006年にインドでの営業展開をサブミラーが買収してから、売上が急成長している。
インドにおけるビール市場の規模は、1ケース7.8リットルを1億3,600万ケース、消費量は、1ケース9リットルを1億4,000万〜1億5,000万ケースとされている。