フォーミュラ・ワン・インド・グランプリ(Formula One Indian Grand Prix)のインド初開催まで45日を切った14日、政府とイベント主催者との間で関税を巡る仁義なき戦いが繰り広げられている。
9月14日付ナブバーラト紙が報じた。
インド財務省はF1主催者に、大会中に使用する機器全てについて関税を支払うように命じていることが事の発端だ。
これをまともに支払うと60億ルピーは下らないと予想されることから、大会主催者のジャイピー・スポーツ・インディア(Jaypee Sports India:JPSI)は数カ月に渡って政府側と忍耐強く交渉を続けている。
JPSIは政府に対し、他国での開催事例と同様に、開催場所に関税特別保留区域を設けることで、大会で使用する一切の車両や部品等については、大会終了後に速やかに国外に運び出すことを条件に無税にするよう主張している。
例えば、まもなく開催されるシンガポール・グランプリでは、政府が特例を設けて大会に使用する物品に限り、あらゆる関税や物品・サービス税を免除している。
ところがインド政府はF1を「スポーツではなく娯楽である」と定義し、関税について一切の特別措置を認めていない。
ただし「国内で手配された車両や部品については税金をかけない」としている。
財務省担当官の話では、F1は関税法(Customs Act 1962)第25条2項に記載された「国益に関連する施設や物品」には当たらないため、課税は免れないという。
財務省がスポーツであることを認めないいっぽうで、スポーツ省は主催者のJPSIに対し今年8月11日付で発行された通達の中で、F1開催を実現するためには全国スポーツ開発基金(National Sports Development Fund)に契約期間である2011年から2015年までの5年間にわたり、年額1億ルピーの「寄付」を実施すること等を条件としている。